2017.7.5

クリエイターズキャンプ真鶴2017事業報告

クリエイターズキャンプ真鶴は、ミュージシャン、デザイナー、プログラマーなど様々なジャンルのクリエイターが真鶴に集い、新しい価値やプロダクトを生み出すイベントです。

3年目となる今年は、「音楽とテクノロジーの新しい創造」をテーマに、コーライティングと呼ばれる新しい作曲手法のキャンプやワークショップのほか、「タッチデザイナー」と呼ばれるビジュアルプログラミングツールを用いたプロジェクションマッピングやライブ演出、VRなどの映像を創作するハッカソン、地元の子どもたちに音楽や作曲の楽しさを伝えるデジタル作曲ワークショップを実施しました。

今年のイベント内容は以下のとおりです。

 

1.コーライティングキャンプ(会場:一般社団法人森の家、真鶴地域情報センター)

作曲家が3人1組でチームを組み、白紙の状態から1曲のデモテープを完成させる1泊2日のキャンプです。レコード会社のA&R(アーティストの発掘・育成部門)やアーティスト事務所、音楽出版社などからの希望を募り、楽曲とのマッチングを行います。

今回は、24人が8つのチームに分かれ、各チームがターゲットとするアーティストを決め曲作りを行いました。コーライティングディレクターの伊藤涼氏のほか、今年はスペシャルゲストとして米国LAを拠点に活動する音楽プロデューサーのher0ism(ヒロイズム)氏と主宰する音楽クリエイターチームever.y(エバー.ワイ)のメンバーが参加し、すばらしい作品が8曲できました。メジャーアーティストに採用され、世の中に発表される曲が多く出てくると期待されます。

 

2.コーライティングワークショップ(会場:真鶴地域情報センター)

作曲家を目指す人が集まり、チームを組み、最先端の作曲法「コーライティング」を学ぶ実践ワークショップです。22名の参加者が集い、コーライティングに必要なコミュニケーションの取り方からターゲットの設定、リファレンス楽曲の選択方法を学びました。

また、コーライティングディレクター伊藤涼氏の指導を受けながら一日でファーストデモ(メロディとコードがわかる楽曲の原型)を作りあげました。

真鶴という環境のせいか、参加者の意欲と満足度が高かったように感じます。

 

3.Overnight Creationハッカソン(会場:コミュニティ真鶴)

インタラクティブなメディア作品、建築物などへのプロジェクションマッピング、ライブイベントでの VJ 等の映像を、コードを書くことなく、ビジュアルプログラミング方式で簡単に制作することができる「タッチデザイナー」というソフトを用いて、真鶴をフィールドにクリエイティブな作品を創り出すハッカソンイベントです。

実施に先立ち6月10日に朝日新聞メディアラボ渋谷分室に参加者が集まり、事前に真鶴の概要や会場となるコミュニティ真鶴などの紹介をしたうえで、参加者各自のアイデア発表とチーム結成を行いました。2日目・3日目となる真鶴会場でのイベントでは、5チーム24名の参加者が集まり、各チームとも、事前にアイディアは決めており、ある程度のところまでは作ってきた上で、現場でまとめ作業を行ないました。 各チームの創作内容は次ページのとおりです。

 

①真鶴港でのインタラクティブライブ演出

「DAW女シンガーソングライター」として活躍する小南千明さんの演奏と歌に、ガットギターで小木岳司さんが参加、小南さんや小木さんが演奏するシンセサイザーやギターの信号をタッチデザイナー上で処理をして、リアルタイムにビジュアル化して、真鶴港を背景に設置された網目のスクリーンに映す出すという映像演出を行いました。

映像は以下のリンク → https://www.youtube.com/watch?v=0uGVEYG7QGI(YouTube動画)

https://www.youtube.com/watch?v=fAhqPk9zbQ8(YouTube動画)

 

②プラネタリウムでの演奏と映像の演出

まなづる小学校屋上プラネタリウムの中で2人のプロミュージシャンが開発メンバーとともにジャズの演奏を行ない、その演奏に合わせ、プラネタリウムの天井にアニメーションを表示させる仕組みを構築。プラネタリウムの中にプロジェクターを持ち込み、各プレイヤーの演奏をアバター化し、実際のプレイヤーが弾くのをリアルタイムに描写。あたかもティムバートン風の世界観VR「バムティートン」の中で、楽器を演奏するとアバターが動いたり、花火が打ちあがったり、蛇が口から火を吹くといった演出を行いました。

映像は以下のリンク → https://www.youtube.com/watch?v=y6iBxtiFKCc(YouTube動画)

 

③“寝る”を正当化させるコンテンツ「夢クラゲ」

寝ることをミッションにしたプロジェクト。コミュニティ真鶴和室を会場に、2つの指にはめるセンサーを装着して畳の上で横になる。このセンサーで人間のストレスを検知・数値化し、その動きを映像上でクラゲの浮き沈みで表現。眠っているとどのような数値になるかを測定し、そのログから眠りの深さなどをチェックすることを目的としました。より快適な眠りを得られるように、石川泰昭氏が音楽を担当し、サラウンドで鳴らせるBGMを作成しています。

映像は以下のリンク → https://www.youtube.com/watch?v=c8m7dfM2aoE(YouTube動画)

 

④“ヘドバン”に映像が連動したへヴィメタルライブステージ

コミュニティ真鶴地下駐車場を会場に、3人の演奏者の頭の動き(いわゆるヘッドバンギング)を加速度センサーで検知し無線でPCに伝送、同時に観客のスマートフォンにもアプリを入れ、演奏者と観客の動きを映像化するシステムを構築しました。

映像は以下のリンク → https://www.youtube.com/watch?v=8S6J-WMSknA(YouTube動画)

 

⑤“髪の毛”をセンシングして映像化する演出

SpininGReenリーダー、モデル兼ダンサー兼振付家の田中セシルさんが躍ると、その髪の毛の揺れに応じて映像が動く演出。ダンサーの髪の毛に施した花の軌跡を赤外線カメラで追い、その情報を元にグラフィック映像を生成し、ダンサーの前面にある半透明スクリーンに投写する仕組みを作りました。

映像は以下のリンク → https://www.youtube.com/watch?v=2T9vJYa3Wdc(YouTube動画)

 

4.サウンドペイントキッズワークショップ(会場:真鶴地域情報センター)

音符を知らなくともお絵描き感覚で音楽を体験できる iPad アプリ「サウンドペイント」を用いた、子ども向けワークショップです。

会場となった真鶴地域情報センターには、幼児から小学生までの5名の子どもたちが集まり保護者とともにタブレットでピアノやラッパなどの音を出しながらアプリを操作し楽しみました。

知育×音楽×ITのウェブマガジンを手掛ける指導役の小坂世見氏は、このサウンドペイントの開発を手がけ、若手作曲家を含んだスタートアップ企業です。真鶴で生まれたエデュテイメント・システムとして育っていくことを期待したいです。

■総括として

3年目に入り、地域に根付いた活動とすべく実行委員会を設置して地元主催に移行し、かつ地域の子どもたち対象としてイベントを盛り込みました。

今後もテレビ局や新聞社などのメディアにも協力してもらいながら、単なる「年に一度のお祭り」という形から通年型のプロジェクトに発展させ、新しい人の流れを生みながら世界中から様々なクリエイターが真鶴に集まり、滞在し、作品を残していく、「クリエイターが集まる町」「音楽とテクノロジーを新たに創造する町」として真鶴町を成長させたいと思います。

(写真・ハッカソンレポート提供:藤本 健氏)

藤本健のDigital Audio Laboratory http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dal/1067222.html

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